長期熟成酒研究会

3.長期熟成酒研究会の歴史

長期熟成酒研究会は昭和60年(1985年)、「長期貯蔵酒研究会」として設立されました。

熟成古酒黎明期

昭和60年といえば、吟醸酒ブームに本格的に火が付き始めた時代です。水のように色は無く、味も香りもクセの無い酒が良い酒だと言われ始めていました。そのような時代の中、色が付き、味と香りにも強い個性を持つ熟成古酒の研究会を立ち上げることは、世の中の流れに逆らう、まさに逆風の中でのスタートでした。しかし、熟成古酒の可能性を信じていた酒造メーカー数社を中心として、熟成古酒製造技術の向上を目的として設立されたのが「長期貯蔵酒研究会」でした。

その後、世界では多くの「長期熟成酒」が尊ばれていることから、同じように長期熟成した日本酒もまた「世界の酒」として認められることを願い、研究会の名称を「長期熟成酒研究会」へと改称しました。

長期熟成酒研究会としては、会員の熟成古酒製造技術交流や勉強会のほか、幅広いみなさまを対象とした利き酒会を開催し、熟成古酒のPR活動を続けています。

平成2年(1990年)、日本酒造組合中央会が実施した「清酒の酒質の特長によるタイプ分類」では、4つのグループの一つに「熟酒タイプ」が取り入れられ、今まで日本酒とは合わないとされてきた西洋料理や中華料理などにも良く合うことが示されました。これは、多くのみなさまに長期熟成酒の存在を知っていただく良いきっかけとなりました。

酒造メーカーの団体からより幅広い団体へ

平成6年(1994年)、熟成古酒に熱心な酒販店のみなさまが中心となって、「長期熟成清酒勉強グループ」が結成されました。年数回の勉強会と情報誌の発行により、熟成古酒の知識の吸収と、酒販店相互の情報交換を行ってきました。

また、長期熟成酒研究会後援のもと、長期熟成酒研究グループによるイベント開催も行うなど、熟成古酒の普及に向けた活動を精力的に行ってきました。

平成23年(2011年)、長期熟成酒研究会および長期熟成清酒勉強グループは、それぞれを一度解散したうえで、再度「長期熟成酒研究会」として再結集・再出発することとなりました。

現在、酒造メーカーと酒販店の垣根を取り払い、業界一体となって、熟成古酒の普及、製造技術の更なる向上を目指し活動を続けています。

長期熟成酒研究会略歴

昭和60年(1985年)
「長期熟成酒研究会」発足
平成2年(1990年)
日本酒造組合中央会による「清酒の酒質の特長によるタイプ分類」に「熟酒」掲載
平成6年(1994年)
酒販店の団体として「長期熟成清酒勉強グループ」発足
平成13年(2001年)
熟マーク」認定制度開始
平成20年(2008年)
独立法人酒類総合研究所および東京農業大学と共同で「日本酒百年貯蔵プロジェクト」を開始
平成23年(2011年)
「長期熟成酒研究会(旧)」「長期熟成清酒勉強グループ」を「長期熟成酒研究会(新)」へと改組